独学で英会話力を高める文法学習法ー具体的な手順とやり方

英文法とは、英語の文章を組み立てるルールのこと。
中学や高校で習うように、その内容は体系的に整理されているため、基礎から順番に学習していくことで独学でも習得が可能です。
でも学習の仕方に注意しないと、
英会話に使えない知識を学んでしまったり、細かい知識に膨大な時間を費やした挙句、英会話で使うところまで辿り着けずに挫折してしまったりすることがあります。
では、どうすれば英会話に必要な文法を効率的に学習できるのか。
今回は、その方法をステップアップ方式で紹介したいと思います。
※2018/5/23:更新
英会話における文法の役割
効率的な学習法を考えるために、
まずは文法が会話においてどのように使われているかを見ていきたいと思います。
スピーチプロダクションモデル
私たちは言葉を話す際、英語であれ日本語であれ、主に次のようなプロセスをたどると言われています。
- 話す内容を決める
- 言葉を組み立てる
- 正確に発音する
これをスピーチプロダクションモデルと言います。
例えば、
仲のいい友達に「明日暇?映画でも行こうよ!」と言われたとき、
返事をするまでの流れをプロセス上で表すとこうなります。
- 話す内容を決める
用事があるから断ろうと意思を固める。でもまだイメージしているだけで、言語化されていない。 - 言葉を組み立てる
「ごめん、実は明日はあまり時間がないんだ」「えー残念!映画行きたかったんだけど、別の用事があって…」など、伝えたい内容に適した言葉を組み立てる
- 正確に発音する
言葉を音声にして伝える。
この一連のプロセスは、流暢に話せる母国語であれば全て同時に、そして自動的に処理されます。
これが日本語であれば、遊びの誘いを断ろうと決めた瞬間に、その内容を言葉にすることができるはずです。
一方で、
英語のように習得できていない言語を話す場合は事情が異なり、「2. 言葉を組み立てる」をかなり意識的に行う必要があります。
例えばこんなふうに・・・
これが私たち学習者が英語を組み立てるのに時間がかかる理由です。
英語を日本語のように流暢に話せるようになるには、このプロセスにかかる時間を短くしていく努力が必要になります。
英文法の役割、文法学習に求められること
英文法は「英語の文章を組み立てるルール」なので、
スピーチプロダクションモデルの「2. 言葉を組み立てる」段階において、言葉を秩序立てる役割を担っています。
もう少し簡単に言うと、
私たちは、自分の伝えたいことを表現する際、文法のルールに従って言葉をつくっているということです。
ですので、
英語を話す力は「文法をつかって言葉を組み立てる能力」に大きく左右されます。
いくら文法の知識が豊富でも、言葉を組み立てることが出来なければ英語は話せないし、
意識的にゆっくり言葉を組み立てていては、英語をテンポよく流暢に話すことは出来ませんよね。
文法について勉強するときは、学校の勉強のように文法知識をただ学ぶのではなく、
学んだ知識をつかって文章を組み立てたり、言語化のスピードを上げたりする訓練も必要になるということが分かります。
独学で英文法を学ぶときの手順
文法を独学で学んで、英会話で使いこなるようになるには、
これまで見てきたことを意識しながら学習を進める必要があります。
学習のステップは大きく3つ。
- 文法ルールの理解と習得
- 瞬間英作文トレーニング
- 実践による意思の言語化
この順番を飛ばさず、ひとつずつ着実にクリアすることが大切です。
では、ひとつずつ説明していきます。
1. 文法ルールの理解と習得
まずは英文法の知識を習得します。
日常会話に必要な文法の知識は、中学英語レベルで問題ありません。
市販のテキストを使って、地道に学んでいきましょう。
初心者で一から文法を学ぶ人や、学生時代に習ったけど自信がないという人は、
中1のテキストから始めて、中2、中3というふうに1冊ずつ順番に進めていくのがポイントです。
その際、ただ解説を読んでいるだけでは、分かった気になってしまうおそれがあるので、
各文法テーマごとに問題が多く載っているテキストを選ぶようにしましょう。
一方で、中学3年間分の英文法を短期間で復習したいという人は、
全範囲が1冊にまとまったコンパクトな文法解説本を使うといいと思います。
自分のレベルに合ったテキストを選ぶようにしましょう。
2. 瞬間英作文トレーニング
英文法の知識を習得したら、言葉を組み立てる練習に入ります。
スピーチプロダクションモデルで説明したように、
私たちは自分が伝えたい事を言葉にし、それを声に出すことで話をしていますが、
まだ「自分が伝えたいこと」を言葉にするのは難しいので、
この段階では、用意された日本語を英語にする練習を行います。
一般的に「瞬間英作文」というと、日本語を聞いてすぐに英語で発声するという「口頭での英作文」を指しますが、
ライティングとスピーキングの2段階に分けてトレーニングを実施すると、挫折しにくく効果がより一層期待できます。
2-1. ライティング(記述)
最初の練習はライティング、つまり「書く練習」です。
いきなり口頭で英語を組み立てるのは難易度が高いので、まずは書くことから始めましょう。
トレーニングの手順
- 日本語を確認する
- 内容を記憶する
- 英語にして書く
このトレーニングで重要なのは、
頭に記憶した内容を、日本語を見ずに、英語の語順で前から順番に言葉にしていく
ということです。
言葉を話すときと同じ語順で書くことで、実践で使える言語化スキルを効率的に鍛えることができます。
2-2. スピーキング(口頭)
ライティングに慣れてきたら、今度は口頭での英作文にチャレンジします。
このトレーニングでは、日本語を英語にして発声する練習を、なるべくスピーディーに行います。
トレーニングの手順
- 日本語を確認する
- 内容を記憶する
- 英語にして話す
このトレーニングの目的は、
意識的に行っていた英作文を、自動的に行えるようにすること。
即答できるように練習を繰り返して、反射的に答えられることをどんどん増やしてきましょう。
流暢に英語を話せるようになるには、訓練して無意識に言葉を組み立てられるようになる必要があります。
慣れるまでは難しく感じるかもしれませんが、
トレーニングをかさねるうちに、少しずつ文法を意識しなくても自動的に言葉が出るようになっていきます。
3. 実践による意思の言語化
最終段階は、いよいよ実践です。
この段階では、
与えられた日本語ではなく、「自分が伝えたいこと」を言葉にします。
ステップ2までで、文法の知識をつかって言葉を組み立てるスキルは身についているはずなので、
その力を使って自分の伝えたい内容を英語にする訓練をすれば、英語を話せるようになっていきます。
実践トレーニングにおすすめの学習法
実践トレーニングには、大きく分けて「自分1人で出来るもの」と「相手が必要なもの」の2通りの方法があります。
相手がいるトレーニングの方が難易度が高いですが、より実践向きで大きな効果が期待できると思います。
複数の方法を組み合わせても効果的なので、興味があるものは積極的にチャレンジしてみましょう。
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オンライン英会話(日本人講師)
公式ページ:ワールドトーク
なお、オンライン英会話スクールについて詳しく知りたい人は、こちらの記事を参考にしてみてください↓

1. 英語の発音を鍛える効果
2. 正確な発音を身につける方法
3. 英会話を意識した単語の覚え方
4. 正しい単語帳の選び方
5. 英会話のための文法学習法
6. 文法の基礎を固める方法
7. 瞬間英作文トレーニング
