継続は力なり-英語の勉強を毎日コツコツ続けられるようになる方法

英語の勉強をコツコツ続けることが苦手だと、
どんなに完璧な学習計画を立てても、絵に描いた餅になってしまいます。
そこで今回は、勉強を長く継続する方法についてシェアしたいと思います。
怠け心に打ち勝つ方法を知ろう
勉強を長く継続するために必要なのが、
自分の怠け心に打ち勝つ方法を知ることです。
「勉強を長く続ける」といっても、結局は毎日の積み重ね。
今日、明日、明後日と
1日1日の勉強時間を積み重ねるからこそ、結果的に勉強が長く続くんです。
つまり、毎日が勝負ということ。
これらの感情を乗り越えて、コツコツ着実に勉強時間を積み重ねることが出来なければ、学習は継続できません。
自分をうまくコントロールし、怠け心に負けないようになれば、
学習を長く継続することができ、結果的に英語がどんどん身についていきます。
怠け心に打ち勝つ3つの方法
勉強を怠けたい気持ちが自分の中で大きくなったときは、
次に紹介する3つのステップを順番に試してみてください。
感情に流されにくくなり、勉強に取り組めるようになるはずです。
1. Five Seconds Rule(5秒ルール)
これは、怠け心が首をもたげた時に、
5秒間だけ時間をとって頭をクールな状態にするというもの。
英会話の先生に教えてもらったのですが、英語の勉強だけでなく、禁煙や禁酒などにも効果的だそうです。
実際にやってみると分かりますが、5秒間ゆっくり頭の中で数えると、
感情的に「嫌だなぁ」と思う気持ちが少しずつ薄れていき、
気持ちに流されるのを防ぎやすくなります。
Five Seconds Ruleの効果を高めるコツ
私はこの方法を、少し変わったやり方で実践しています。
- 実際に手を出して「1、2、3、4、5」と指を折りながら数える
- 5秒数えている間、以下を明確にイメージする
- 勉強しなかったことで後悔している自分
- 英語の勉強に挫折している自分
- 勉強したことで自信に満ち溢れている自分
- 目標を達成して喜んでいる自分
5秒というのはあっという間なので、
イメージに関しては全て出来ないこともありますが、それでも構いません。
完璧でなくていいので、5秒間指折り数えながら、ざっくり悪い結果と良い結果をイメージしてみてください。
やりたくない気持ちに流されず、少し前向きに考えられるようになるはずです。
ちなみに、手を出して指折り数えるのは、5秒ルールをクセづけるためです。
頭で数えると、やることを忘れてしまいがちですが、
手を出してやっていると、怠け心が芽生えたときに思い出しやすくなります。
2. Easy and Fun(簡単に、楽しく)
5秒ルールで後ろ向きな気持ちがなくなったら次は、
これからやろうとしていることを、簡単で楽しいものに変えます。
なぜなら、「やりたくない」という気持ちの背後には、
これから勉強するのは大変で、ストレスが溜まる、という思いがあるからです。
そのような状態で無理やり始めても、あまり勉強は進みませんし、
途中で「やっぱやーめた!」ということにもなりがちです。
ポイントは「クリエイティブに考える」ということ
勉強内容を簡単で楽しいものに変えるとは、一体どういうことか。
例えば、これからやるのが文法テキストをつかった勉強だとします。
いつもならテキストを開いて、さっそく今日の範囲に取り掛かるところだと思いますが、始める前に「この内容・やり方じゃないと駄目なのかな?」と考えるんです。
同じ結果を得るのに、やり方は1つではありません。
クリエイティブに考えれば、もっと簡単で楽しい方法が見つかるはずなんです。
例えば、テキストの解説を最初から順番に読んでいく代わりに、
テンポよく進められて楽しい「穴埋め問題」を先にやり、不正解だったところだけテキストの解説を読むようにするのはどうでしょう。
これはあくまで一例ですが、
このように意識的にクリエイティブに考えて、「ほかにもっといい方法はないか?」と自問自答すれば、
「よし!これをやろう!」と前向きになれる勉強が実現できます。
Easy and Funを実現するには
とはいえ、いきなりクリエイティブに考えろと言われても、慣れるまでは何をどう考えればいいか分からないと思います。
そこでここでは、私が実践している方法を3つシェアしたいと思います。
1. 引き算で考える
一つ目は、とてもインパクトが大きく、クリエイティブな発想が生まれやすい「引き算」という考え方です。
勉強を始めるにあたって、
「嫌だけどやらなければならないこと」を思いきって無くしてみてください。
無くしたうえで、何ができるかを考えます。
例えば、オンライン英会話でフリートークレッスンを受けることにしていたけど、どうも気乗りしないというケース。
この場合、フリートークレッスンに抵抗感を感じているので、
思い切ってフリートークレッスンを受けないことにします。
そのうえで、何ができるかを考えます。
そうすると、大抵の場合は勉強の目的に立ち返ることになりますので、
フリートークレッスン以外の方法で、目的を達成できそうなやり方を見つけることができるようになるんです。
例えば、スピーキングの瞬発力を鍛える目的でフリートークレッスンを受けるつもりだったのなら、
- 楽しくて簡単な教材レッスンに切り替えて、意識的にフリートークを挟み込む(フリートークより精神的なハードルが下がります)
- 日本語を瞬間的に英語に変換する『瞬間英作文』にチャレンジする。より実践に近づけられるように、3秒以内に答えるようにする
このような勉強方法に切り替えてみます。
大事なのは手段に固執することではなく、目的を達成することなので、
やろうと思っていた方法より「簡単で」「楽しい」勉強方法が見つかれば、どんどん採用したほうがいいでしょう。
そのほうが、次回からもっと楽に勉強に取り組めるようにもなります。
2. レバレッジを考える
レバレッジとは『てこの作用』のこと。
少ない力で大きな効果をもたらす、まさに『てこの原理』を利用することを指します。
勉強を始める前に、どうすれば少ない労力で最大の効果を発揮できるかを考えることは非常に重要です。
ポイントは、好きなものや力を与えてくれるものを最大限に活用すること。
分かりやすい例が『音楽』です。
ノリのいい音楽を聞きながらやると勉強がはかどりますよね。
さきほどのフリートークの例だと、自分が信頼している英会話の先生に頼るというのも効果的です。
レッスンの最初に「正直、今日はモチベーションが上がらなくて・・・」と告白して盛り上げてもらうようにすれば、どんどん気持ちが上向いてくるでしょう。
友達と勉強する、家族が集まるリビングで勉強する、自習室やカフェを利用する、などなど
気合いを入れて頑張らなくても、
自動的に頑張れてしまうような状況を作り出せれば、サボる心配はなくなります。
積極的にレバレッジを活用しましょう。
ただし、あまりにも自分を追い込みすぎるのは考えものです。
無理やりサボれない状況に追い込むことで、余計にストレスを溜めてしまうと、
次から勉強するのが嫌になってしまいます。
ここでも忘れてはならないのは、
「簡単に」「楽しく」できるような勉強を心がけることです。
レバレッジを利かせるときは、自分の労力をなるべく小さくすることが重要なので、頑張りすぎないように注意しましょう。
3. 言い換える
最後は、言葉を言い換えることによって、
自分が勉強できない理由を無くしてしまうという方法です。
まず最初に、勉強したくない気持ちを素直に表現します。
例えば、こんな感じです。
- めんどくさい
- やりたくない
- 疲れた
- フリートークが怖い
- 苦手意識がとれない
- 問題数が多い
ここでは複数挙げていますが、洗い出すのは、1つか2つで構いません。
素直な気持ちを洗い出したら、
クリエイティブな発想が生まれるように言葉を言い換えます。
具体的には、
と言い換えます。
さきほどの例だと、
- めんどくさい気持ちのままでも出来る方法とは?
- やりたくない気持ちがあっても出来る方法とは?
- 疲れていても出来る方法とは?
- フリートークが怖くても出来る方法とは?
- 苦手意識がとれなくても出来る方法とは?
- 問題数が少なくてもいい方法とは?
このように自分に問いかけます。
すると、不思議なもので、
どうやって勉強をすればいいかを、頭が勝手に考え始めてくれます。
頭が勉強法を探し始めたら、「簡単に」「楽しく」できる方法がないか、少し時間をとって考えてみましょう。
めんどくさい、やりたくない気持ちでも出来る方法としては、好きな海外ドラマをつかうという方法が挙げられますし、
疲れている場合でも、お風呂に入りながらNHKラジオを聞いたり、お気に入りの英会話講師にオンラインで楽しくレッスンしてもらったりすることが出来ます。
自分でやると決めたテキストを必ず使いたいなら、
- 最初から答えを赤ペンで書き込んで赤シートで隠しながら学習したり
- やる気の出る問題から手をつけてみたり
- 頭をつかわなくていい単語の書き取りだけにチャレンジしたり
と、工夫の余地はいくらでもあります。
ネガティブな感情が勉強をできなくしているなら、
ネガティブな感情ありきで勉強する方法をつくってしまえばいいんです。
そうすれば、勉強できない理由がなくなるため、落ち着いて勉強をスタートすることができるようになります。
3. 達成感、有能感を感じる
これまで、以下2つの方法を紹介してきました。
- Five Seconds Rule(5秒ルール)
- Easy and Fun(簡単に、楽しく)
最後に紹介するのは、「達成感、有能感を感じる」というものですが、
これは、これまでの2つとは違い、 勉強を終えたあとにやることです。
勉強をやり終えたあとは、少なくとも5分は時間をとって、
サボらずに勉強をした自分を褒め、満足感を感じる機会をつくりましょう。
これはとても大切なことです。
なぜなら、成功体験を積み重ねて自信を深めることは、
粘り強く学習を継続していくのに欠かせないことだからです。
英語の勉強を続けていると、伸び悩んでしまったり、成果を感じられなかったりすることが必ずあります。
そんなときに諦めずに頑張れるかどうかは、「自分はやればできる!」と思えるかどうかにかかっています。
日頃から自己肯定感を高め、
「自分はやれば出来るんだ。これまでもコツコツやってこれたじゃないか」と思えるようになっていれば、
失敗やうまくいかない状況に遭遇しても、極端に心を乱されることなく、勉強を続けていけるようになります。
実はこれは、第二言語習得の研究※でも明らかになっていることです。
一般に、個人が持っている有能感や自己効力感が高いほど、失敗を経験したとしても「自分ならできる」と信じ、努力を続けられる傾向にある。-(略)- 無力感による動機付け低下を避けるためには、小さな成功体験を積み重ねるなど、有能感や自己効力感に対する肯定的な認知を高めるような機会を継続的に持つことが重要だと考えられる。(廣森2015:98-99)
※第二言語習得(Second Language Acquisition: SLA)の研究とは、母国語以外の言語を習得する際の、効率的・合理的な方法を科学的に明らかにしようというもの。日本人が英語を学ぶことも第二言語習得にあたる。
英語の勉強を習慣化できるように、
普段から達成感や満足感を味わい、自己肯定感を高めておきましょう!
引用文献
- 廣森友人(2015).『英語学習のメカニズム: 第二言語習得研究にもとづく効果的な勉強法
』東京:大修館書店